堆肥化の最低限の目的は畜糞から発芽阻害物質をなくす事、殺菌した汚物感のないものにする事と言えます。
このためには、畜種、設備、季節によって変わりますが、60℃以上の高温状態が約2週間以上継続する堆肥化であれば、上記最低条件は満たしていると思われます。しかし、正確には発芽試験等で、腐熟度を確認する必要があります。
添加後、数日で効果がなくなります。至適温度は約50℃で約60℃を超えると活性を失います。
resQ45を利用した堆肥での栽培試験を行なった結果、何も悪い影響は出ていません。高温菌は約55℃から活性が始まります。田畑での中低温域(50℃以下)では胞子の状態で休眠しているため影響はないと考えられます。
ブロワが完備され、適切に稼働されていないと高温菌の生育に影響が出ます。弊社で適当なブロワの提案も可能です。
堆肥中にジワジワと風を送るのが良いので高静圧低風量型のブロワを推薦します。最適な送風条件は、堆肥内酸素濃度が10 ~ 15% になるようにインバータなどで風量調整し、24 時間送風することです。インバータがなく、過乾燥でお困りの場合、15 ~ 30 分の休止時間での間欠運転にして下さい。30 分以上休止すると、堆肥内は嫌気状態になります。
ブロワ付設備ならば、ピット式でも、レーン式でも可能です。理想は、1次発酵はピット式で温度を上げ、2次発酵はレーン式で粉砕、乾燥を主目的に行う堆肥化設備です。
鶏糞と豚糞は55%、牛糞は65%目標値です。目安は、手で握った時、塊状になるが水はしたたらない状態です。
水分量が少ない場合は様子を見ながら加水して下さい。多い場合は戻し堆肥、完成堆肥の混合比を上げて下さい。
恐らく、ブロワ送風によって通気性が改善された部分から、好気性発酵が始まり、堆肥内で発酵ムラ(温度差)が出来るためと推察されます。このため、可能な限り攪拌回数を増やすことで、発酵ムラやダマを減らすことができます。
初期導入から約5日間ほどで効果が確認できます。臭気は以前より甘い感じがします。
resQ45 資材(新特別急酵)を投入することで、堆肥が高温となり水分蒸発量が増しますが、同時に有機物分解が促進される結果、有機物由来の水が増加します。このため、温度上昇による水分蒸発量増加の効果が相殺され、乾燥が必ず促進されるとは限りません。乾燥促進には、送風量の増加や、切り返し回数の増加を行って下さい。
青森県(採卵鶏、豚)では堆肥の温度が70℃以上を記録し、順調な堆肥化が出来ました。ただし、過剰な通気は堆肥の温度を下げる可能性があるので風量には注意が必要です。